印象操作を行っているのは誰か

どうでも良い話題かもしれないが引き続き。


相変わらず根拠の薄い反マスコミ(=反既存体制)みたいな論調が(論調と言うほど立派なものでもないか)みられるので、疑問を呈しておく。


まずいいたいのが、福田氏が各世論調査で急浮上したのは少しも不自然ではない、ということ。
ポスト小泉の世論調査の結果をみんな思い出そうとしていないだけなのだ。去年の4月から5月にかけての世論調査では福田が急浮上し、一時は安倍の支持率に迫る勢いだった。しかも福田はそれまで小泉政権から距離をおいていて、ポスト小泉が話題になるまでほとんど動きらしい動きをしていなかったはずだ。
つまり今回と同じような現象はすでにいちど過去に起こっているわけで、そんなに人気のない人だったらそう何回も急浮上するわけがない。というか、そんなに不自然なことならば、こんな短期間で2度も繰り返される事もないだろう。2度も繰り返されたのならば、ある程度自然な理由があると考えるべきなのだ。
それとも、あのときも読売グループが動いたとか荒唐無稽なことでもいうのだろうか。
国民がみな読売新聞を読んでいるわけでもなし、日テレ系列の報道番組なんて10%も取れればいいほうなのに、そんな所の方針ひとつで、日経だの共同通信だのの発表にみられる世論調査が何ヶ月も影響されるはずがない。
あるいは他のメディアが読売グループの論調の影響を受けて、論調が拡大していく可能性があれば話はべつだけど、そんなのはもちろん考察にも値しない。


ちなみに細かい数字が拾えたので書くと、
共同通信社が去年(2006)の5月の13、14日に実施したポスト小泉についての世論調査の結果
安倍40.1 福田31.4 麻生4.5
福田と麻生の数字の差の大きいこと。7〜8倍も福田の方が上回っていたのだ。
わずか一年と4ヶ月ほどまえにこれほど人気があった人なのだから、今回、福田が各世論調査で圧倒的な数字が出たところで、唐突でも不自然でもなんでもないことがはっきり分かる。


つぎに宮崎哲弥がTVで言ってたらしい事について。世論調査がTVの影響、恐ろしい、とかなんとか。
そんなこといったら小泉人気だってTVの影響が大きかっただろうに、そのころこの人は恐ろしいとか言ってたんだろうか、とかそういう批判もありだが、今回はそんな事をいいたいわけではない。
なんか麻生の方が明らかに人気がある、とも言っていたらしいが、数字的根拠はどこにもないのだ。これこそ印象操作じゃないの?と言いたくなる。人気があるのに世論調査に反映されない、なんかオカシイ事してるんじゃないの、と印象付けようとしているかのようなのだ。


たしかに朝日読売それからFNNの世論調査は、福田氏がほぼ党内の支持を固めたあとに実施された世論調査だが、じつはそのまえに、共同通信が13、14の両日に世論調査をしている
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/politics/CO2007091401000438.html
13日はまだ麻生が次期総理かと思われていて株式市場では麻生銘柄が上がっていた頃で、14日になってはじめて福田がほぼ支持を固めつつあるという報道がなされた。
そんな段階で、はやくも福田が麻生にたいして差をつけているのだ。世論が優位に流されたというには、少し無理があるのではないか。なにしろ13日なんかは麻生氏で決まりって頃なのだ。


ここでひとつ言えそうなのが、この共同通信の調査結果こそ、麻生が人気があるというより、むしろ人気がない事を示しているものはないんじゃないのか、という事。なぜならメディア的にはたった半日か一日姿を見せただけのひとに、こうもあっさり負けてるのだから。しかもその人は、なんかパフォーマンスをしたわけではない。政策発表をしたわけでもない。「今度は私が」と言っただけ。
ほんとうに人気があるのなら、そんな人に、こうも簡単に支持率で上回れたりはしないと思うのだが。


ところで、朝日読売の結果をみて、ほんとうに世論が、自民党が福田で固まった後になお福田に「乗った」、そういう部分が大きいとしよう。だとするなら、一般大衆は今回は派閥のトップから支持を固めたやり方も不問に付している、という事も言えるんじゃないかと思うのだがどうだろうか。
そういう視点からみてもやはり、麻生氏が「派閥談合」だとか批判したのは、空気の読めてない、なんとも間抜けな行為ということになるのだろうか。