訴状を見ていないのでコメントできない

タイガー魔法瓶を提訴 派遣女性「正規雇用せず突然解雇」 大阪地裁


この提訴は、まったくもって勇気のある行動と言わねばならないだろう。
このような行動は、当然たんにタイガー対元派遣社員だけに終わらず、他企業の現場にも影響を及ぼすだろう。他の全ての労働者の条件を良くする事に繋がる可能性を持つのだ。
訴訟費用もバカにならない事など考えると、全ての労働者は彼女に感謝すべである、と言っても言いすぎでない。


多くの人は彼女のようには行動できまい。
いかに計算高く、要領よく生きるかというのが、今の世の中におけるもっとも共有化された幸せへの道なのだ。
それを是とするならば、彼女のようにはしないだろう。
面倒だもんね、きっと。弁護士が全てやってくれるとするなら莫大なカネがかかるし、それに全てを任せたところで本人が行わなければならない必須の手続きも多いだろうし。
さっさと次の職場を探す方にエネルギーを注いだ方がいいんじゃないかな・・・。


じっさい親身になって、そういう風に言うブロガーもいた。それは仕方ない。
ちょっと信じられないのが、そこまでして会社なんてものにしがみつくのか、などと馬鹿げた事すら言うヒト。
例え訴訟に勝って雇用が認められても居心地悪いだろうに、それでもしがみつきたいか、とか。


呆れる。
そのような居心地だの、費用対効果だの、モロモロの、うまく要領よく生きる事をいったん拒否した上で、訴訟したに決まっているではないか。
こんな訴訟などしないほうが楽だ、あるいは、勝ったところでハッピーでないかもなんて、そんな事はイチイチ暇なブロガーに指摘などされなくとも充分承知しているに決まってるだろう。
報復的な解雇という人権をあからさまに踏みにじるような行為が行われた、と彼女は考えているのだ。
このような事が行われた全ての場合において全ての人が諦めるべきか?
そんな馬鹿げた事はない。場合と程度にもよるだろう。
生きていくにあたってどうしても先ずは人権の回復を優先したい、筋だけは通していただきたいと考えたくなる場合だって、たくさんある筈だ。


人権をまず回復した上で、その上で居心地については考えればいいのだ。
そして居心地が悪いというなら、その次点でまた闘えばいいではないか。


しかし「訴状を見ていないのでコメントできない」というのは聞きなれた便利な言葉だ。
たしかに訴訟に関することなので、その後の有利不利に関わる可能性もあればこそ軽々しくコメントなんてできやしないのが普通だろう。
ただ、詳しくはコメントを控えさせて頂くが、少なくとも報道されているような違法な事実は存在していないと現時点では確信しています、程度の事は言っていいだろうし、言えるだけの企業であったほうがいいね。