中国の人は、漢字の「ど忘れ」をどうしてるのか from Excite ニュース

(前略)
「忘れる」ことは誰だってあるのでは? そんなとき、「略字」のようなものを使ったり、アルファベットをあてたりするの? と尋ねると、こんなふうにきっぱり否定された。
「中国では、下に漢字を書いて、その上に読み方をアルファベットで書きます。たとえば、漢字2文字や3文字の言葉で、その中の1つでも漢字を忘れてしまった場合、アルファベットや音の同じ漢字をあてて使うのは、意味としては良いけど、『言葉』『文字』としてはダメ。ちゃんと辞書で調べて書きます」
うげ、厳しい!! さすがに、子どもはそんなこと、ないでしょう?
「いえ、子どもでも同じ。わからない漢字は辞書で調べて書きます」
つまり、「ど忘れした漢字」だけでなく、「知らない漢字」は、別の文字で代替するのではなく、「調べて書く」、あるいは「書かない」ということのようだ。

「中国では、読み方と漢字と、両方できなければいけないので、ローマ字と漢字を一緒に覚えます。これは子どもの頃からみんなそう」
でも、たとえば、「駅」という意味で使っている漢字(※日本語ソフトでは出ません)をはじめ、中国ではカンタンな漢字を使っていく傾向にあるようだけど、あれは「子どもでも書ける略字」ではないのですか。*1
「あれは、略字じゃなくて、新しい漢字。中国には、昔の漢字と新しい漢字があって、町では新字をたくさん使うようになってますよ」
(後略)


少し驚かされた。
漢字の難しさは一部の階級による知識の独占へとつながる、ゆえに、真に民主的であるためには漢字を簡略化すべきである、というふうに、おおげさに言えば階級闘争の結果として、大陸ではあのような簡略化された漢字になっているということは、あまり知られていないようだ。
逆にいうと台湾などでは、階級闘争などなかったから、漢字はそれほど簡略化されていないのではないか。台湾にも子どもはいるだろうけれども。


つまりは、あの簡単でありながら日本人には読めないし、今このPC上に表示させようとしても出来ない漢字は、中国共産党が全土を掌握してから生まれた、歴史上はとても新しいもの。
中国ではそのような事が戦後も行われているくらい、日本からみれば近代化は遅れていたのではないか、と思われる。


そう考えると、かつての日中戦争を対称的なニ国家の争いというふうに捉えるよりも、あくまで植民−被植民の関係のなかでの出来事であり、両国民は支配する側−支配される側、従わせる側−従う側であったというふうに非対称的に捉えたほうが良いのではないか。
もしそういう事を前提としたメンタリティ(中国人は下等という)が日本人になく、対称的な関係であったならば、大陸において日本が過去に行ったことはこれほど残虐性を帯びたのかどうか。

*1:太字は引用者