マスコミと権力の介入

一般的に言って、マスコミが権力の介入を嫌うということは、まだ厳然と存在していると思う。
ＮＨＫに対する安倍・中川発言など記憶に新しいが、例えば、マスコミ取材を検察が使用したりすることに対しては、常に抗議がなされる。
検察という公権力が自らの自由な取材を証拠として採用することにあれだけ不快感を示す連中が、政治家の言うことには唯々諾々と従うとはちょっと考え難いのだ。
マスコミが何かを隠しているという主張はネットで非常に多く見られるが、状況証拠的な不合理感だけが根拠となっているだけ。いくら読んだところで、どのような経緯がそこにあるか、つまり、マスコミのなかの誰がどのような決定を行い、また政治家がどのようにそこに近づいているのか、などの場面がひとつもリアリティを持って浮かんでこない。

記者が主人公になったマンガや小説などで、「記事にしようと思ったらトップの判断で駄目になったくそー」というパターンがあるが、もしそのトップが政治家とあーだこーだ行ってるような事でも明るみに出れば、局の（社の）存亡を揺るがすような事態である。大スクープに値する。
そんな危なっかしい橋を、政治家も、新聞テレビのトップも渡るだろうか、本当に。
そして、そのような陰謀が長いことこの国のマスコミで行われていたとするならば、それが明らかになるようなスクープがなされることがもっと頻繁にあって良いと思う。あったのか？

そんなに日本のマスコミは完璧な組織なのか。そんなに完璧に日本のマスコミで隠しごとが成り立つと考えるのであれば、およそ、どんな陰謀だって成り立つだろう。
じっさいには、たいていどっかから漏れてしまうものだと思うのだけど。