終戦記念日の参拝者の数

ちょっとしか調べていないが、今年の終戦記念日靖国神社への参拝者数への言及が、けっこう少ない。
誰も興味がないみたいである。
実際には、予想通りというべきか、激減しているのだが。


SankeiWEBより

靖国神社は15日、今年の終戦記念日の参拝者数を昨年より約9万3000人減の約16万5000人と発表した。

 小泉純一郎前首相が現職首相として21年ぶりに参拝した昨年の約25万8000人や一昨年の約20万5000人を大きく下回った。

(2007/08/15 22:02)


まずは、靖国側が、減ったことを包み隠さず発表したのは良いことだと思う。いちいち誉めませんが。


先ほど参拝者が減ったことに対して予想通りと書いたが、それは、ウヨクが跋扈するネット上、とくにブログなどで、今年は靖国熱があまり見られないなあ、というのがあって、実際にもその傾向が、数としてそのまま出てしまったわけである。
安倍氏が参拝しないことが、早い段階で伝わっていたのだから、本来ならもっと騒ぐべきなのだろうが、私は、この現象を皮肉的に書かないのであれば、あまり不思議だとは思わなかった。
本来なら、というのは、本来的な右翼ならば、ということ。
つまり、この国のウヨクは右翼なんかではなく、だから、彼らが今回騒がないことを不思議に思わないのである。


昨年から10万人近く減ったのだが、ざっくりこの数を見てみる。
小泉氏によって靖国が注目される前を約10万としておく。
そしてピークの昨年が25万。
今年が16万。
せっかく増えた15万のうち、9万がやめている訳で、
(25−16)/(25−10)=60%
つまり、ここ数年激増した新しいタイプのウヨクの人たちの半分以上が、(おそらくは)戦没者の事などほとんど想っていないわけである。


では、彼らは何を想っているのか。
言うまでもなく、中国や韓国である。そして朝日新聞に代表される日本のサヨク
彼らが騒がない限り、ウヨクも騒がないのだ。
言い換えれば、中国や韓国が、朝日新聞が文句を言わないかぎり、ウヨクの人たちは戦没者へ意識が行かないのだ。と、いう事になる。


これってオカシくない?
確かに一見理解しがたいように、思える。
しかし、ここ数年の新しいタイプのウヨクも、昔からのこの国の右翼の伝統的なものと通ずるところがあると思えば、それほど不思議ではないんじゃなかろうか。
その伝統的なものというのは、この国の右翼には、拠って立つ原理などなく、あるとすればただ"反サヨク"というだけ、という。
小熊英二先生のおっしゃる事が、8月15日という日に、また証明されてしまった。