読まずに批判・・・

眠い。


ある少年がいる。架空の話。
彼のルックスはまあ悪くない。
彼は、あるときある作品に出会って眼が開かれ、画家を目指すようになる。
彼は努力する。人一倍。
美大に入るまでは努力だけで良かったが現実にも目覚め、広告制作会社に勤めながら絵を続ける。
そんなときあるキッカケで彼の作品を気に入るお金持ちの人が現れ、小さいながらも個展が開ける。
美術雑誌の片隅に紹介記事がのる。

そんなとき彼はネットで自分について書かれた文章を目にする。
「雑誌でチラと見たけど、他の作品は一切見る必要なし。才能ゼロ。どうせどっかの社長婦人か遺産持ちの未亡人をたらしこんだか、いやあの顔じゃそこまでは無理か。まあ、どうせなんかのコネで個展開いただけだろ。そういう意味で人間関係を築く才能だけはありそう。」


ある少女がいる。架空の話。
彼女もルックスは悪くない。
ずっとピアノをやっていたが、音大時代に仲間の影響でジャズやブルースに目覚める。
アメリカに渡るが、それほど弾く場所を与えてもらえず、日本に帰ってくる。
昔の仲間やそのつながりで、グループでライブハウスなどで弾いているうちに、他のグループからも声がかかったりする。
そんなときあるレコード会社の人から声がかかり、ソロで行けるかも。オリジナルとかあるの、と。
彼女は努力する。ミニアルバムの発売にこぎつける。

そんなとき彼女はネットで自分について書かれた文章を目にする。
「むかしたまたまライブハウスで見たことがあるけど記憶なし。きっと耳にかすりもしない凡奏だったんだろ。どうせどっかのプロデューサーか重役かなんかと寝たんだろ。いーよな女は。ちょっとルックスがいいと中年男性が買ってくれるからたいした才能なくてもCD出せて。」


ああ、眠い。