光市母子殺害事件・感想3

共同体の事をあれこれ考えていたら、ちょうど良くある酷い例にぶち当たった。
光市母子殺害事件の差戻審判決 - good2nd
いかにも良識派という感じの文章ではあるが、ここに見られるのは人柱の論理である。
まだ上告が残っているというのに今の段階で死刑確定を言うのも信じがたいが、この人柱的思考は一人の人間を目的ではなく手段として扱うことによって、2重に殺しているにも等しい。
いや、この上記エントリの最後の段落にかけての前を向いて行きましょう、という気分は、一人の個別の存在を忘却せよと言わんばかりの調子なのだから、忘却によって3重に殺すのだ。


このエントリに見られる、紛れも無い共同体主義を悪しきモノと一概に言えるかどうかは分からない。
しかし私は、good2nd氏と同じ共同体の一員にはなりたくない気持ちで、只今一杯である。
私は、それによってどんなに社会が良くなろうと前進しようと、自分の家族の生命も差し出すつもりは全くひとっかけらも無い。