魅力が薄れたということ

id:kori3110さんよりIDコールされていたのを今ごろになってちょっと弁解してみる。
私は「音楽そのものの魅力が薄れた(スタイルが出尽くした)」と書いたが、もしかするとこれは「音楽の質が低下した」というふうに誤解される言い方かもしれない。
でもこれら二つは違う。
例えば、クラッシュとかジャム(パンクバンドのこと)なんて、音楽的の質としては、イエスやキングクリムゾンより下ではないか、と。でもパンクが登場したときに魅力があったのはジャムやクラッシュだったりするんだよね。(余計な事いうと、きっと音楽としての質はイエスとかの方が上なので、今でもけっこう聴けたりするんだと思う。)


ジャズでいうと、きっと、バド・パウエルより上手く弾ける奴も、チャーリー・パーカーより上手く吹ける奴も沢山いると思う。
でも今さらバップやったって、どんなに音楽業界を取り巻く環境が良かったって、アドリブにどんなに個性があったって、きっと売れない。同等か、より上質な物をやったところで、スタイルが一緒なら、ね。
私だって、コルトレーンより早く激しく吹ける現役の人だって結構いると思うけど、格好いいテナーを聴きたいって初心者がいたら、コルトレーンを勧めるよ、間違いなく
だいいち安い。現役の新盤に比べたら半額以下で買えちゃうんだよコルトレーンなんか。これじゃ現役の人のCDは売れないよなあ。


「回帰を重ねて変化」といったって、ジャズをみて欲しい。ここ数十年ごくマイナーな変化しかないよ。というか変化を計るようなトレンドすらもはや無くなってるんだけどね。
で、このようにしてポップミュージックも終わっていくんじゃないか、というふうに予想していて、それは多分当たってると思う。
でもジャズが細々と生き残ってるように、音楽が消えてしまうわけじゃないから。